コロナの影響で働き方が変化して、疲れやストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。リモートワークで1日中自宅で過ごされている方は、生活にめりはりが感じられず、頭が忙しいままでスッキリしない状態が続いてしまっているかもしれません。
そんな時におすすめなのが瞑想(メディテーション)です。瞑想は、カラダはリラックスしていて、意識や感覚ははっきりと働いている絶妙なバランスの状態。瞑想の効果についてご紹介します。
簡単にできるおすすめ瞑想(メディテーション)法
瞑想とは
世界的な一流企業や著名人が実践していることで、すっかり知名度が上がった瞑想。
瞑想とは「今、ここ」に全ての意識が向いている状態のことをいいます。
人は、常に過去や未来のことをぼんやりと思い浮かべています。
例えば、朝ごはんを食べながら今日の仕事のことを考えてため息をつき、仕事をしながら昨日のミスを思い出して悲しい気持ちになり、夜ベッドの中で今日言われた上司の発言に腹を立てる・・・。
このように、頭は過去や未来のことでいっぱい。頭の中の独り言が、食事・目の前の仕事・休息の時間を妨害してきます。
気を付けていないと、考え事が暴走し、「今、ここ」どころではありません。その結果、睡眠不足や、仕事に集中できないといった悪循環が生まれてしまいます。
これの対極にある状態が、マインドフルネスです。
日本人にとって瞑想といえば、「禅寺で座禅を組み、居眠りしたら棒で肩をたたかれるもの」というイメージが強いのではないでしょうか。
瞑想に関しては、様々な説明があります。心を無にする、いま現在に集中する、自らの意識を高め気づきを得る・・・これらはマインドフルネスを表しています。そして、マインドフルな状態を達成する手段が瞑想です。つまり、マインドフルネスと瞑想は、目的と手段の関係にあるのです。
かつて瞑想は、宗教的な営みと考えられていました。
しかし、マインドフルネスは仏教に特別な信仰心や関心がなくても、問題なく瞑想に取り組めます。近年は、そのような認識が定着しました。その証拠に、iPhoneの標準アプリである「ヘルスケア」には、「マインドフルネス」が実装されています。
瞑想の種類
実は、世の中に数多くの瞑想が存在しています。
各国の文化や歴史の中で多種多様な瞑想法が生まれ、現在に引き継がれています。
・瞑想のために身体と呼吸を鍛錬する「ヨーガ」
・瞑想する姿勢に重きを置く「坐禅」
・回数と時間に決まりがあり、マントラ(短い意味のない言葉)を唱える「超越瞑想」
・アメリカで人気のマインドフルネス・ストレス低減法
国によっては踊りながら瞑想する、なんて方法もあります。
方法が異なっても、すべて共通している目的が「マインドフルネス」(悟り)に到達することです。
悟り、と聞くとなんだかスピリチュアルでうさん臭く感じ、自分には関係ないかも。と引いてしまいますよね。
しかし悟りという言葉は宗教で使う言葉ではありません。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授であり、同大学のウェルビーイングリサーチセンター長の前野隆司氏はこのように述べています。
幸せの心的要因は四つの因子から成る、というものです。
前に述べたように、「感謝とつながり」「自己実現と成長」「独立とマイペース」「前向きと楽観」
これらの極限が悟りにつながると私は思います。(幸せとは何か/悟りとは何か p161)
つまり、瞑想を習慣化することで幸福度が上がる、と考えてよいでしょう。
まとめましょう。
・世の中数多く瞑想法が存在する。
・瞑想までのプロセスや方法は、歴史的背景によって異なる。
・瞑想を行う目的はマインドフルネスである。
・マインドフルネスは幸福と同意語である。
瞑想の効果
先ほど説明した通り、瞑想祖すると幸福度が上がる効果があります。
それ以外にも、多くの効果が得られることが、最新の研究によって明らかになっています。
・集中力の向上
・ストレスの軽減
・記憶力、判断力の向上
・共感能力の向上
・血圧の安定
・アンチエイジング
・ダイエット効果
などなど、心身ともに良い変化が現れます。お金もかからず、すぐにできる瞑想でこんなにたくさんメリットがあるなら、やらない理由なんてないですよね!
瞑想方法
瞑想前の準備
瞑想は、いつでも、どこでも行うことができます。
通勤電車の中、カフェでコーヒーを待つ間、エレベーターに乗っているとき、など時間や場所を選びません。
しかし慣れないうちは、
・静かで落ち着いた環境
・毎日続けられる身近な場所
で行うほうがいいでしょう。なぜなら、瞑想は自分の体や呼吸に意識を向ける作業だからです。周りの人の目や雑音が、あなたの集中力の妨げになってしまうかもしれません。
自室のベッドやソファの上など、落ち着きやすい場所で瞑想を行うことをオススメします。
ベストなのは、「この時間になったら、この場所に行く」と決めてしまうことです。
例えば、夜に瞑想をすると決めたと仮定しましょう。その場合、毎日「23時にベッドに座る。」を何も考えず実行しましょう。30分程度は時間が前後してもかまいません。
ベッドに座ったら、3回深呼吸をし、その余韻を感じます。
いきなり10分も20分もやろうとせず、なるべく小さな変化からはじめていく。
これがポイントです。3回もやりたくなければ1回でも問題ありません。
「これだけのことなら、毎日できる」と思うことが何よりも重要なのです。
まとめると、瞑想に至るまでのトリガー(きっかけ)を決め、すべてを関連化させることで習慣にするということです。
自分の生活に合わせた時間と場所を決めてみましょう。
基本!座ってできる呼吸瞑想法
1.姿勢を整える
床に胡坐をかく、もしくはイスに浅く腰掛け、背筋を気持ちよく伸ばし座ります。
ポイントは、「背筋を伸ばそう!」と意気込みすぎないことです。
筋肉が緩み、骨で身体を支えているような感覚で座りましょう。肩の力を抜きます。
富士山になったつもりで堂々と腰掛けてください。
2.息を整える
大きく深呼吸をしましょう。鼻から大きく吸って、口から細く長く吐き出します。
次は、鼻から吸って鼻から吐く自然な呼吸に切り替えましょう。
無理にゆったりとした呼吸をしなくても大丈夫です。
そして、呼吸に意識を向けましょう。腹式呼吸を繰り返し、おなかが膨らんだり、しぼんだりする様子を追いかけます。
心の中で「膨らむ」「しぼむ」とつぶやくと集中しやすくなります。
3.心を整える
次々に浮かび上がる考え事によって呼吸に意識が向けられなくても、ただそれを認め
受け流しましょう。
まるで車が通り過ぎるのをただ見ている歩行者のように、ぼんやりとその考え事を受け流しましょう。
心の中で「考え事をした」とつぶやき、また呼吸に意識を戻します。
自分の中に起こる感覚・思考・感情を、1つ1つ言葉にしていきます。これをラベリングと言い、心の動きにラベルを貼ることで、その存在を自覚しやすくなります。ポイントは、良し悪し・好き嫌いの評価を加えない、ということです。
「吸う」「吐く」「雑念が浮かんだ」のように、単純な言葉でラベルを貼るようにしましょう。
そうすることで、考え事をしている自分に早く気が付き、考え事に巻き込まれる事態を回避することができます。
超簡単!ムービング瞑想法
movingといって、今の自分の行動に意識を向ける瞑想法です。
歩く、食べる、食器を洗う、歯を磨く、など普段無意識で行っているような動きのひとつひとつに注意を向けます。
例えば食器洗いの時に瞑想するのであれば
・食器に触れたときの感覚
・水の温度
・泡が手を滑り落ちていく感覚
・足の裏のどこに重心をかけて立っているか
・心はどんな動きか
など、細かく観察しましょう。
食器洗いで瞑想するよう決めたのであれば毎日食器を洗うたびに実践してみてください。
そうすることで、毎回違う感覚を味わえたり、昨日とは違う発見が出来たりと、瞑想が深まっていきます。
リラックス!寝たまま瞑想法
ベッドの上でできる瞑想法です。
仰向けの状態で、両手の先、両足、おなか、胸、首と肩、顔、と順番に、ぎゅっと力を入れて10秒ほどキープします。
その後、息を吐きながら力を一気に抜きましょう。
脱力後、緩まった体をしっかりと感じることがポイントです。
その後ゆっくりと腹式呼吸を繰り返し、全身の力を抜きましょう。ヨガのシャバーサナと同じような感覚です。
まとめ
瞑想は、現代人の不安やイライラなどストレスを解消するツールとして注目が集まっています。この機会に生活に取り入れてみましょう。